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このページは、ホームの中の食事と介護の中の中村育子栄養士の訪問栄養指導レポートの中の中村育子栄養士の訪問栄養指導レポート(1)のページです。

中村育子栄養士の訪問栄養指導レポート中村育子栄養士の訪問栄養指導レポート

在宅訪問栄養指導

皆さんは、管理栄養士が医療保険や介護保険を使って、在宅患者さんの居宅へ訪問栄養指導に行けることは、ご存知でしょうか。あまり知られていないサービスですので、ご紹介致します。
糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)など生活習慣病にかかっている在宅患者さんは多いです。生活習慣病は食習慣や生活習慣との関わりが大きく、食事療法により疾病は改善されることが多いです。外来や入院であれば病院の管理栄養士が栄養指導を行いますが、在宅患者さんの場合は、管理栄養士が居宅に訪問して、栄養指導を行います。生活習慣病以外でも摂食・嚥下困難や低栄養についても同様に栄養指導を行います。
管理栄養士は患者さんの居宅を訪問すると、食事内容の聞き取り、食生活習慣の聞き取りなど、患者さんが無理なく食習慣を改善できるよう、色々なことをお聞きします。また身体計測なども行います。その上で、現在の栄養状態、改善点、食習慣に合わせたメニュー提案なども行います。また調理担当の方と一緒に、調理実習も行いますので、実践的で、とても分かりやすいです。訪問は月1~2回です。料金は1回530円です。(1割負担の方)訪問実施機関はまだ少ないですが全国在宅訪問栄養食事指導研究会のホームページでは実施機関の公開も行っていますので、ご興味のある方はご覧ください。

調理実習の様子

介護食作成について

家族の誰かが病気や老化が原因で介護が必要となると、病気に合わせた食事療法による治療食や、摂食・嚥下困難を補助する介護食を作る必要が出てきます。介護だけでも介護者にとって大変な負担がかかりますが、食事療法による治療食や介護食が加わると、さらに負担がかかります。
私は実際に在宅で、多くの患者さんや介護されているご家族に会い、長年の介護により、患者さんよりも先にご家族が亡くなる場面も見ていますので、現在介護されているご家族に言いたいのは、とにかくできるだけ無理をしないでほしいということです。完璧な介護食を毎回作る必要は無いのです。1度に作り置きをして、冷蔵庫や冷凍庫で保存しながら使っても良いですし、冷凍食品や缶詰、レトルトパック、市販の介護食品なども利用して、介護軽減を図りましょう。介護者の方は、冷凍食品や市販の介護食品を使うと、手抜きとして罪悪感を抱く場合がありますが、いつもクタクタに疲れて、患者さんに笑って接する余裕がないよりも、食事作りに時間がかからず、余裕をもって、笑って会話ができる食事の方がお互いに幸せなのです。

在宅でのエピソード

在宅で訪問栄養指導を始めて、13年が経ちました。13年も毎日訪問していると、楽しい思い出は数え切れないほどあります。今回は自転車で訪問していたSさんのことについてお話します。Sさんは持家で1人暮らしをしており、ヘルパーさんが週3回入っていました。糖尿病、肥満、脂質異常症(高脂血症)があり、糖尿病の食事療法を行っていました。近所のお友達が、よく来るので戸棚には、来客用のお菓子がたくさんありました。またSさん自身果物が大好きで、しょっちゅう果物を食べていました。身長が153cmで体重が65kgでしたので、歩くのも立ち上がるのも大変そうでした。でも大変おもしろい方で、私を楽しませようとしてくれました。野菜は好きなのですが、お料理するのが面倒なようで、コンビニやスーパーでおかずを購入する事が多かったので、栄養指導の一環で、時々野菜を多く使った調理実習も行っていました。ある日訪問すると体が痛いと言っていました。栄養指導が終了すると、お願いがあると言うので聞いてみると、湿布を背中に貼ってほしいという事でした。その日はヘルパーさんも来ない日だったので引き受けたのですが、大きい湿布を4枚出してきて、全部貼るというのです。びっくりしましたが、希望通り4枚貼りました。特に高齢者は冬になると服装は上下共に6枚ずつくらい着ているので、湿布を貼るのも大変でした。整形外科にかかる患者さんが、よく湿布を大量にもらっていくのを見ますが、このような使い方をすれば、すぐに無くなるのでしょう。
Sさんは太っているし背中に湿布が貼れないので、私が来るのを待っていたようです。何だか、その湿布の一件から私とSさんの距離はさらに縮まり、栄養指導も行いやすくなりました。在宅での1人暮らしや高齢者世帯の生活のハードルは高く、重たいごみ出しで転倒したり、洗濯干し、布団干し、買い物、掃除、調理なども危険がいっぱいです。それでも自分らしい生活をするために、がんばるのです。今後もSさんが、少しでも糖尿病の病状や肥満を改善し、暮らしやすい生活であるよう、食支援をしていきたいと思います。

簡単にできる介護食の紹介

エンジョイゼリー&ポチプラス

グループホームのおやつで好評だった、手軽なおやつです。
エンジョイゼリー(ぶどう)1パックを、3等分に切って、器に盛り付け、つるりんこQuicklySunkistポチプラス(ぶどう)にとろみをつけたものを、上からかけます。とても色目がきれいで、高齢者の方が1人でも簡単に作れます。

エンジョイプロテインFeZ

溶かしやすく、使いやすく、特に消化吸収に配慮した粉末タイプの栄養補助食品です。私はこの商品を、お食事からたん白質をあまり摂取できない患者さんや、貧血の方にご紹介しています。粉末なので、コーヒー、紅茶、ココア、スープなどに気軽に入れることが出来ますし、味も美味しくなります。また蒸しパンやホットケーキ、クレープの生地の中や寒天・ゼリーに入れても良いと思います。

食欲のない方へのアプローチ

さまざまな理由から食欲がなくなることがあります。食欲不振により食事量が少なくなってしまった場合は、放っておかずに、食べられるようにするためのアプローチが必要です。 まず食欲がなくなった原因を探さなければなりません。精神的な問題、経済的問題、薬剤性、季節性、などがあります。高齢者の場合、環境の変化による精神的問題が背景にある食欲不振が多いと思います。問題が解決すれば食欲は回復しますが、長期間の食欲不振の場合、低栄養になってしまったり、胃が小さくなってたくさん食べられなくなったりします。その場合は、まず少量で高エネルギー、高たん白質食品を選んで、摂取して頂きます。エンジョイゼリーなどはその良い例です。栄養状態が良くなってくると、摂取量も増えてきますので、好きなものを中心に食べてもらうようにします。体力も改善し、何でも食べられるようになったら、栄養のバランスを考え、主食、主菜、副菜、おやつを考えましょう。食事の時間が憂鬱なものでなく、楽しい時間となるように工夫しましょう。

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