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このページは、ホームの中の食事と介護の中の笑顔のある家の中の森内様のインタビュー(1)のページです。

笑顔のある家 森内様のインタビュー(1) 森内様のインタビュー(1)

食べることは、人が生きていくための原点。食べる喜びとは、まさに生きる喜び!

森内スマエ様(68歳)
高井ヨコ様(95歳)

一変した退職後の人生設計

「この3月でいよいよ定年退職。これからは主人と二人で第2の人生を楽しもう」
そんな思いを巡らせていたある日、母のヨ子コさんが自宅で転倒し、大腿骨を骨折したという知らせが届いた。

当時、娘のスマエさんは小学校の教員として多忙な日々を送っていた。ちょうど「まもなく訪れる“退職後”は、長年にわたって蓄積された心身の疲れをとり、新たな人生設計を!」と夢見ていた時だったという。今、改めて振り返ってみると、不意の報せは、まさにその“退職後”を待ち構えていたかのようだった、と思う。

「母が88歳の時のことです。夜中にトイレへ行き、寝室に戻る途中、パジャマの裾を踏んで転んでしまった。ズボンを腰の位置までしっかり引き上げておらず、裾を引きずっていたようなんです。歳を取ると、やはり感覚が鈍ってしまうのでしょうね。リハビリを含めて約4ヵ月入院することになりました」

懸命のリハビリによって、ヨ子コさんは杖をついて歩けるようになるまでに回復した。しかし、足の不自由は家事全般に支障を来すということで、退院後は夫である登さんとともにスマエさん夫婦のもとに身を寄せることになった。

「父は、2014年に95歳で亡くなりましたが、トイレも一人で行けたし、それほど手はかかりませんでした。一方、母は我が家に来てから3年ほどは元気でしたが、それ以降、急激に弱っていった。おむつを換えるのも、お風呂に入れるのもひと苦労でした。しっかり立つことができないので、『足を上げて!』と言っても、スッと上げられるわけではない。わかってはいても、母の自然に振る舞えない動作にもどかしさを感じることもたびたびでした」

当初は、母親のおむつ姿を見ることも、家の中で杖をついて歩かれることも、さらにバリアフリーのためにと室内に手すりを備え付けることにさえも違和感を覚えた。だから、それらすべてを受け入れるまでには相当な時間がかかった。

「やはり覚悟がいりますね。最初の頃はきっと、私自身に本気の覚悟がなかったんだと思います。けれども日々の生活のなかでは、そうした現実を受け入れなければならない小さな瞬間、瞬間がある。そして母を助けるのはこの私しかいないのだ、という思い…。躊躇いと決断とを繰り返していくなかで、ようやく正真正銘の覚悟が身についたということではないでしょうか。いったん覚悟が決まると、人間というのは途端に強くなるものですね。今では“健康・快適・楽しく”の3つをモットーにするまでになり、いつの間にか母の介護も苦にならなくなりました」

そうすると今度は、知らず知らずのうちに笑顔があふれ出てくるようになった。笑顔には不思議な力が潜んでいる。それは、「優しさ」と「元気」だ。優しさは相手に対して、元気は自らに対する活力となって、自他共栄や希望という好循環をつくり出す。さらに、その好循環は「食」の変化によって、二人の絆をより一層深いものにした。

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