ページの先頭です
ページ内移動用のリンクです


このページは、ホームの中のはじめての介護の中の介護のよくあるお悩みの中の褥瘡のページです。

褥瘡

褥瘡とは

寝たきりなどで身体の特定の部位が圧迫され続けることなどによって血流が悪くなり、その部分の組織が壊死することをいう。

褥瘡(床ずれ)発生のメカニズム

美濃良夫編著、高齢者介護急変時対応マニュアル、講談社、2007より改編

褥瘡(床ずれ)を防ぐ4つのポイント

  • 体位変換
    • ずっと同じ姿勢にしない
    • 体圧を1カ所に集中させない
    • こまめな体位変換
      (自力で寝返りができない場合)
  • 体圧分散マットレス
    • 生活自立度や褥瘡の危険因子の程度により使い分ける
  • 栄養状態
    • たんぱく質の指標である血清アルブミンが不足すると褥瘡リスクが高くなるので要注意
      (低アルブミン血症)
    • 摂取エネルギー(カロリー)にも注意。
      エネルギーが不足すると、褥瘡のリスクが高くなる
  • 皮膚のケア
    • 清潔を保ち、こすらない
    • マッサージをすると損傷や炎症が悪化する
    • 化膿がなければ消毒の必要はない
    • 失禁管理

褥瘡予防・治療に関連が深い栄養素

たんぱく質

 
1日の必要量 たんぱく質として1.1~1.3g/kg
高齢者や褥瘡患者:1.25~1.5g/kg
 
血清アルブミン値 3.5g/dL以上
 

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

体内のたんぱく質、特にアルブミンの低下は、非常に大きな褥瘡の発生要因である。
アルブミン合成の低下時は、たんぱくの異化作用によって、血中のトランスフェリン、プレアルブミン、レチノール結合たんぱくなども低下する。体内のたんぱく質が滅少すると筋肉量の減少などによる骨突出、皮膚組織の耐久性の低下を招くうえ、体内のたんぱく質は最も重要な体内の水分の保持組織であるため、褥瘡が発生しやすくなる。
また、たんぱく質は、線維芽細胞増殖やコラーゲン生成などの皮膚組織の再生に不可欠の栄養素でもある。

血糖

 
血糖値 空腹時80~110mg/dL
 

糖尿病患者は、末梢循環障害を合併するだけではなく、末梢神経障害、易感染性(免疫能低下)、炎症反応の抑制なども起こり、褥瘡が発生しやすくなる。糖尿病でなくても全身状態の悪化時は、耐糖能障害を起こすことがある。

 
1日の必要量 男性6.5mg 女性6.5mg
 
血清鉄 基準値80~160µg/dL
 

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

★宮地良樹 真田弘美、新褥瘡のすべて、褥瘡治療のための栄養管理の目安、より

血清鉄の低下はヘモグロビンの低下(基準値は12.0g/dL以上)につながり、鉄の摂取量は摂取たんぱく質量以上に褥瘡発生の大きな指標になる。
また褥瘡発生後は、ビタミンCや銅と同様に欠乏するとコラーゲンの生成や抗張力の低下をきたし、治癒の妨げとなる。
細胞外液では、鉄は鉄結合たんぱくであるトランスフェリンとして存在している。鉄の摂取量が十分であっても、低たんぱく血症をきたしていれば、たんぱくの異化作用の亢進によってトランスフェリンの消費が多くなり、鉄の有効利用が低下する。

栄養素 食品名 1回で食べる量 鉄摂取量(mg)

1日の必要量
6.5mg
あさり水煮缶 30g 7.56
豚レバー 50g 6.5
がんもどき 80g(中1個) 2.9
ひじき(乾燥) 5g 2.8
小松菜 70g(1/4束) 2.0
切干し大根(乾燥) 15g 1.5

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

亜鉛

 
1日の必要量 男性8mg 女性7mg
 
血清亜鉛 基準値70~150µg/dL
 

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

★宮地良樹 真田弘美、新褥瘡のすべて、褥瘡治療のための栄養管理の目安、より

亜鉛が欠乏することにより障害をきたし、褥瘡の原因となることがある。また味覚障害をきたし、慢性的に食欲が減退し、低栄養状態に陥る可能性もある。
また亜鉛は褥瘡患者にとって重要なたんぱく合成や免疫系に関与しており、亜鉛欠乏は上皮形成と細胞増殖に影響を及ぼし、創傷治癒が遅れる。さらに亜鉛は抗酸化作用を有し、活性酸素の処理に関与している。重度の欠乏症では好中球や白血球の機能に影響があるといわれている。褥瘡患者の多くは亜鉛欠乏の状態にあるともいわれている。
血清亜鉛値が基準値(70~150µg/dL)以下であれば補充を行う必要がある。亜鉛や銅の補給に関しては、利用効率を考慮する。

栄養素 食品名 1回で食べる量 亜鉛摂取量(mg)
亜鉛
1日の必要量
男性8mg
女性7mg
牡蠣(かき)(殻なし) 45g(3個) 5.9
牛肩ロース 80g 5.1
パルメザンチーズ 20g 1.5
若鶏肉もも 50g 1.5
ココア 6g(大さじ1) 0.4
牛乳 210g(200ml) 0.8

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

 
1日の必要量 男性0.8mg 女性0.7mg
 
血清銅 基準値80~130µg/dL
 

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

★宮地良樹 真田弘美、新褥瘡のすべて、褥瘡治療のための栄養管理の目安、より

コラーゲンの強度を増強するのに不可欠な酵素の作用の補助因子。褥瘡の治癒過程で銅が不足すると、コラーゲンの合成能や架橋形成(強度を増す構造)が低下し、治癒を遅らせる。

栄養素 食品名 1回で食べる量 銅摂取量(mg)

1日の必要量
男性0.8mg
女性0.7mg
牛レバー 50g 2.65
カシューナッツ 30g 0.567
するめいか 130g(中1/2杯) 0.44
牡蠣(かき)(殻なし) 45g(3個) 0.40
さつまいも 180g(1本) 0.32
ココア 6g(大さじ1) 0.23

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

カルシウム

 
1日の必要量 男性750mg 女性650mg
 

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

褥瘡の治癒過程でカルシウムが不足すると、コラーゲンの架橋形成不全をきたす。

栄養素 食品名 1回で食べる量 カルシウム摂取量(mg)
カルシウム
1日の必要量
男性750mg
女性650mg
わかさぎ 80g(5~6尾) 600
厚揚げ 100g(1/2枚) 240
牛乳 210g(200mL) 231
小松菜 70g 203
プロセスチーズ 20g 166
木綿豆腐 150g(1/2丁) 160

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

ビタミン

 
ビタミンAの1日の必要量 男性650µgRE
女性550µgRE
 
ビタミンCの1日の必要量 100mg
 
ビタミンEの1日の必要量 男性7mg 女性7mg
(目安量)
 

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

ビタミンは褥瘡の予防と治癒に大きな役割を果たしている。
ビタミンAは、コラーゲンの合成や再構築、上皮形成に欠かせず、ビタミンCは、コラーゲンの生成や強度の増強に必要な栄養素である。不足すると、コラーゲンの抗張力が低下(支持組織や毛細血管の脆弱化)する。また、高齢者は血漿中ビタミンCの濃度が低下することや、組織中のビタミンCの含有量が低下することが知られている。
ビタミンB2の不足は全身倦怠感や無力感を招き、可動性を低下させる。ビタミンB6、B12、葉酸の欠乏は、貧血やたんぱく合成の減少を招く。
ビタミンEは末梢血管を拡張し、血液循環を良くする。抗酸化作用があり、体内における脂肪の酸化による老化や動脈硬化を防ぐ。

栄養素 食品名 1回で食べる量 ビタミンA摂取量(µgRE)
ビタミンA
1日の必要量
男性650µgRE
女性550µgRE
鶏レバー 50g 6500
うなぎかば焼 100g(1串) 1500
ぎんだら 80g(1切れ) 880
にんじん 50g 750
かぼちゃ(西洋) 100g 660
ほうれんそう 70g(1/4束) 490
栄養素 食品名 1回で食べる量 ビタミンC摂取量(µgRE)
ビタミンC
1日の必要量
100mg
芽キャベツ 50g(4~5個) 150
150g(1個) 105
赤ピーマン 60g(2個) 102
ブロッコリー 50g(2房) 60
キウイフルーツ 85g(1個) 59
さつまいも 180g(1本) 52

※日本人の食事摂取基準 2005年版 70歳以上 推奨量/目安量

アルギニン

 
1日の必要量 成人で約5~7g
 

アルギニンは侵襲下では必須のアミノ酸と言われている。
創傷治癒を促進するほか、免疫に強く関与し、血管を拡張し、血流を良くする役割がある。
炎症を伴う創傷がある場合は積極的に摂りたい。

水分

 
1日の必要量 食品中の水分とは別に、1L以上(成人や高齢者)
 

水分が不足すると、他の栄養素が不足した場合に比べ、衰弱や死に至る時期が早くなる。特に高齢者は、水分の摂取不足から脱水を起こすことがよくある。褥瘡患者では尿や便から排泄される水分や不感蒸泄以外に、浸出液による水分の損失もある。
過剰の水分補給は浮腫を招き、皮膚の耐久性を低下させるので注意する。

摂取エネルギー

 
褥瘡治療時の必要量の目安 25~35kcal/kg/日
 

※必要エネルギー量は、年齢、体重、全身状態、疾病、活動量により大きく異なるので注意が必要

摂取エネルギーの減少は、代謝の低下、活動性・可動性の低下、体重減少・るい痩につながり、骨突起部の皮膚や皮下組織の圧迫の原因となる。また褥瘡発生後、炭水化物が不足すると白血球機能が低下し、炎症期が遷延する。またエネルギー不足のため体たんぱくが異化をうけるため、皮膚組織再生に必要な基質の不足をきたす。

引用:褥瘡患者さんのための栄養ケアポケットガイド
監修:阪和第一泉北病院副院長 美濃良夫先生


ページ上部へ



ページの終わりですページの先頭へ戻る