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肝臓病

肝臓のはたらき

肝臓は、食事で摂った栄養素が最初に送られる、栄養との関わりがとても深い臓器です。
肝臓のはたらきは、次の3つに分けられます。

1.体の中の化学工場

腸で吸収した栄養素を体に利用できる形に変化させたり、体内でできる老廃物を体の外に排出できる形に変化させるなど、さまざまな代謝を行います。

2.栄養素の倉庫と出荷

エネルギー源となる糖や脂肪、体をつくるたんぱく質などの栄養素は肝臓で作られて貯蔵され、必要に応じて血液によって全身へ送られます。

3.老廃物の浄化センター

肝臓は、血液によって収集されてくるアンモニアや、古くなった赤血球の成分などの老廃物を絶えず処理しています。

肝臓病の原因

肝臓病は、肝細胞が壊され細胞の炎症が原因で起こります。これが、肝炎です。
肝炎は、主に次のような原因で起こります。

原因 感染経路・発症要因
A型肝炎ウイルス ウイルスが潜む生の貝類等の摂取
B型肝炎ウイルス 血液・体液(性行為など)で感染
C型肝炎ウイルス 血液で感染
生活習慣 肝臓に脂肪が蓄積し(脂肪肝)、さらに過酸化ストレスなどの2次的要因が加わり炎症が発生

A型肝炎ウイルス

A型肝炎は、慢性化することはありません。
劇症化する場合がありますが、通常は免疫機能により排除され、治癒します。

B型肝炎ウイルス

B型肝炎は、急性の場合には通常、免疫機能によってウイルスが排除され治癒します。乳幼児期までに感染した場合と、最近わが国でも増えてきている欧米タイプのB型肝炎ウイルスに感染した場合、キャリア化、慢性化する可能性が高くなります。

C型肝炎ウイルス

C型肝炎は、B型肝炎よりも感染力は弱いのですが、感染すると70%が慢性化すると言われます。肝硬変、肝細胞ガンへの進行率が最も高い肝臓病です。

生活習慣に起因し、脂肪肝から慢性的な肝炎へと進展するものを非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と呼びます。
肝硬変、肝細胞ガンにも進展し、今後さらに患者数の増加が懸念される肝臓病です。

この他、アルコール多飲を原因とするアルコール性肝障害、薬物中毒や薬物アレルギーを原因とする薬剤性肝炎などがあります。

肝臓病の進行と症状

肝臓病は慢性化した場合、ゆっくりと図のように進行します。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、自覚症状がなくても病態が進んでいることがあります。

病期 特徴
急性肝炎 ウイルス感染の初期に一過的に炎症を起こすものです。発熱、倦怠感、悪心など風邪に似た症状が出ます。
慢性肝炎 肝炎が6ヵ月以上続く病態をさします。軽い倦怠感程度で自覚症状は殆どなく、見過ごしがちです。
肝硬変 慢性的な肝炎により、傷害された肝細胞の部分に線維質の造成が起こります。肝臓全体に線維化が進むと、全体が硬くなり肝硬変となります。初期は慢性肝炎と同程度の症状しか示しませんが、進行してくるとさまざまな合併症(肝性脳症、黄疸、腹水、胃食道静脈瘤など)が現れてきます。
肝細胞ガン 肝細胞の傷害・再生の過程で発生してきます。ガンの占める割合が大きくなると、肝硬変と同様の合併症が現れます。

引用:肝臓病と栄養
監修:倉敷成人病センター 肝臓病治療センター 部長 久保木真先生



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